デザインは誰のために何のために必要か
ことインターフェースにおいてはデザインのフラット化が進み、過度な装飾は省かれていった。
色々と考えさせられるこの問いについて自分なりにまとめてみた。
【翻訳】ビジュアルデザインはつまらなくなってしまったのか? - MOL
コンテンツの多様化、リッチ化が進み、それらの情報を取得するのに
装飾やスキューモフィズムの概念は確かにノイズになり得る。
デザイナーという肩書きで仕事をしていた頃、クライアントワークの中で
情報設計にはすごく気を使っていた。
それは何故かと言うと、大抵はクライアントは色んな情報を詰め込みたがるから。
しかし1ページにおける情報量は多ければ多い程、それを見る人は混乱をし
本来のゴールからどんどんと遠ざかってしまう。
クライアントからしてみれば、会社の情報はあれもこれも載せたいし
例えば1ページいくらの発注をしているのであれば、webサイトの制作費は抑えたいので1ページに詰め込もうとする。
webに詳しくない中小企業の担当者はとにかく少ない予算で最大の効果を見込む。
考えてみれば当然である。
しかし作り手からするとその結果として本来のゴールから遠くなってしまうのであれば予算を追加してでもページを増やして欲しい。
営業とクライアントとの板挟みで最終的にどっちつかずの着地しか
提案できなかった自分の腕の無さに泣いた時もあった。
で、結局何かと言えば
それほど数ある情報をうまく整理するという意味で
デザインのフラット化はそこに通ずるものがあると思う。
最短で目的にたどり着くという意味において
余計な装飾という情報が省かれ、そのガイドラインとなり得るフラットデザインは
個人的には自然な流れだと思うし、そうあるべきだと思う。
ただし、それはあくまで目的を達成するための一つの手段でしかない。
デバイスは進化を続け、都度UXを実現するためのUIが提案され続ける。
それこそおばあちゃんが何も考えずに使えるようなインターフェース、
つまる所ユニバーサルデザインに行き着くのは自然な事だろう。
ウェアラブルデバイスを当たり前のように全ての人間が使う未来はそう遠くない。
大事なのは絶対的な答えを出す事ではなく、その時々に
自分でデザインの意味を考え、最適な答えを導く事だと思う。
情報の設計はどんなデザイントレンドの中にあろうと常に必要な根底の事。
それがガイドラインとしてより明確になったのがフラットデザイン。
情報をより正しく正確に伝えるというUIにおいての現時点での最終着地としては
個人的には腑に落ちている。
問いの中である「次」というのは何年も先のトレンドを示唆するものではなく
最適な情報を最適な方法でユーザーに届けるという事を考え続ける
ある種の「姿勢」的な事なんじゃないかなと思う。
情報を整理してユーザーに届ける事を常に考え続ける事が
僕なりの今の答え。
近い未来にボーダレスな世界が来る事を考える、それはとても楽しい事だ。