pantune log

webディレクターの日々の記憶

ディレクターのアウトプットとは

定期的に話題になる非エンジニアのアウトプット問題。

僕なりの今の考え。

 

転職をする際に、僕はポートフォリオを持ち歩いていた。

ポートフォリオには自分が関わったサービスやサイト、アプリ全てを網羅していた。

場合によってはデザインだけやったとか

コーディングだけやったとか

ディレクションオンリーだとか

CSもやったぜ、みたいな事も書いていた。

 

僕がディレクターをやるようになった理由としては

色んな事に関わってみたかったからというのが一番の理由な気がするので

そういう背景もあって網羅してやろうという感じだったんだけど

実はこのポートフォリオの作り方こそがディレクターの評価軸のヒントになるんじゃないかと

先ほどビールを飲みながらふと思った。

 

プロデューサーとディレクターの違いとは?

なんて事は色んな所で話題に上がるが

僕が考えているのは

 

プロデューサーは売り上げに責任を持つ人

ディレクターは制作物に責任を持つ人

 

という事だ。

そしてここで言う制作物とはユーザーや上司の目に見えない物まで含める。

 

自分が直接手を動かしていないものも全て含めて

制作物に関わる全てに責任を持つという事だ。

 

なんなら割に合わないような気分にさえなってくるが

ディレクターとは本来そんなポジションなのだ。

 

テレビ業界なんかはアシスタントディレクターなんてポジションもあるくらいに

ディレクターへの道は遠かったりするが

web業界においてのディレクターの壁は低い。

 

ディレクターと名乗ればディレクターになれる。

 

10年前に比べれば、やる事が増えてきたので求められる能力も多岐に渡ってきているが

僕が新卒で入社した会社のディレクターは丸投げの天才だった。

 

テクニカルのテの字も無かった。

血気盛んな僕はテクニックもねえ奴がなんで俺に指示するんだ、と思っていた。

 

だけどその人はテクニカルなスキルは無かったにせよ

関わったプロジェクトは私の物だ!という意識が非常に強かった。

 

それは手柄は全て私の物!という意味ではなく

プロジェクトの遅延も成功も全て私の責任だ!という意味で。

 

制作サイドのミスのためにクライアントの所に飛んでいって謝ったりしても

決してこちらに文句を言う事はなかった。

 

その分、要求してくる物も半端無かったが。。。

 

要求は社長にまで広がり、プロダクトに対しての強い拘りの結果

社長のクライアントへの提案に対してクライアント先の机の下で社長の脛を蹴るにまで至った。

 

後にも先にも社長を蹴るディレクターなんぞ見た事がない。

最高にロックしてる。

 

今はその人が何をしているのかわからないけど

未だにあの強烈なディレクターの事を忘れられない。

もう一度一緒に仕事したいとは思わないけど

背中でディレクターとはこうだぜと語る男前な女性だった。

 

極端な話、ディレクターはそれほどに気合が必要でそして重要なポジションなのだ。

 

 

ディレクターのアウトプットはサービス全てと言っていいと思う。

そしてサービスを全てと言うからにはディレクターがカバーする領域はやはり広い。

そしてそのカバーをするために、テクニカルな事が要求される。

 

ディレクターと名刺に載せるのは簡単だけど

本当にディレクターと名乗れる人はどれほどいるだろうか。

  

 

僕はまだ社長の脛を蹴るにまで至っていない。